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イダー 6

2008.12.14  *Edit 

 イダー 6 

「引き金は引くんじゃねえ!絞るんだ!」

 無線から、タリスクの怒鳴り声が響く。

 打ち消す様に、トリガーを絞る。

 ガトリングガンが、けたたましい銃声をたてる。

「長い!もっと短く!長く撃ってもあたんねぇぞ!」

 敵がこっちを向く。

 それをかわす様に回り込む。

 雪が絡んで足が重い。

「遅いぞ!死ぬぞ!もっと早く!」

 鬼!

 叫びたくなるが、我慢して片膝で座る。

 肩付けで構える。

 撃つ。

 敵の表面に火花が上がる。

 確認するまもなく、立ち上がり走る。

 敵の後ろへ、後ろへ。

 再び片膝。

 向こうの方が早かった。

 周りの氷が砕け散る。

「ばかやろぅ!なにやってんだ!」

 かまわず撃った。

 両腕にガトリングガンを装備した、巨大な兵器が膝を折る。

 やがて、ゆっくりとその場に倒れた。

「お疲れ様~。帰ってらっしゃい。」

 振り返ると、エレンが小高い丘の上から手を振っている。

 手を振り替えして、歩く。

 坂道が、足にこたえた。

 それ以上に、タリスクの文句がこたえた。


「はい、お茶。お疲れ様。」

「ありがとう。」

 エレンが暖かいお茶をポットから入れてくれる。

 装備のおかげで寒くは無いが、見た目ここの景色は寒々しい。

 シェラカップから伝わる暖かさが嬉しい。

「あれじゃ、ダメだな。」

 タリスクが苦い顔をする。

 こちらは、スキットルボトルで酒だ。

「命がいくつあってもたらねぇ。動きが鈍いんだよ。」

 あおる。酒のせいか、苛立ちか、顔が赤い。

「大丈夫よ、まだ。」

 エレンが横からボトルをひったくる。

 自分のカップに入れた後、私のカップに少量注いだ。

「そのうち、上手くなるわ。」

 一口、あおる様に呑んで、返す。

「あら、美味しいじゃない。どんな苦いお酒かと思った。」

「うるせぇ。」

 ひったくる様にとりかえしてそのまま飲もうとする。

 苦い顔をする。

 ボトルは空になっていた。

「『下』から持ってきた、大事な酒を。」

 ギロッと睨み付けて、ポケットに押し込む。

 その手で煙草を取り出し、くわえた。

 ライターが金属音を立てて、火をともす。

「ホースは。あいつどこいった。」

「もうちょっと先に行くそうです。」

 お茶をすする。

 ふんわりと、お酒の香り。

 戦場という事を忘れそうな、ゆったりした空気が流れる。

「この辺りのは、物足りないそうです。」

「あの、馬鹿!」

 苦々しく煙を吐く。

 地吹雪に混じって、消えていった。

「あなたが思ってるより、ホースは強いわよ。」

 雪の上にエレンが腰を下ろす。

「心配ないわ。」

 杖を肩に立てかけ、カップを両手で包む。

   
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