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イダー9

2009.06.01  *Edit 

 イダー9

 3人で鉄橋を渡る。

「コラはまた来そうね。」

 少女の呟く声が、風に混ざって聞こえる。

「しばら訓練は控えた方がいいわね。」

 ミニスカートを風になびかせながら振り向いて笑う。

 その笑顔から、先ほどの破壊力は微塵も感じられない。

「あの、」

 恐る恐る声を掛ける。

「先ほどは、ありがとうございました。」

「いいのいいの。仕事と趣味だから。」

 趣味。

 確かに楽しそうに言う。

 あの一瞬で他種族を消し去った破壊力が、趣味。

 肩に担いだガトリング銃を握る。

 とても、かなわない。

「あら、お待ちかねの様ね。」

 橋の向こう側、険しい顔をした3人が見える。

 タリスクとエレン、ホース。

「大丈夫?」

 エレンの声は心配というより、不機嫌そうだ。

「はい、どうにか。」

 軽くうなずくと、後ろの男に視線が移る。

「元気そうね。」

 不機嫌の度合いがます。

「お蔭様で。」

 にっこり笑って、エレンの不機嫌を気にしていない。

「で。」

 私の前の少女。

「何しに来たの。」

 不機嫌一色の声。

「あら。」

 にっこり、最高の笑顔。

「お友達をたずねて。うふ!」

 エレンのこんな顔は初めて見る。

 眉間のしわを寄せた顔は、殺気すら感じられた。

「立ち話もなんだから、はいりましょ!ここは寒いわ!」

 発着場に走っていく。

 全然寒そうに見えない。

「どうしたんですか、エレン。」

「・・・なんでもないわよ。」

 コラを思わせるような長い足でつかつかと後を追う。

 とても、なにも無いようには思えない。

 肩に手が置かれる。

「すぐに判るさ。」

 タリスクの声は笑いに近かった。

「覚悟しとけよ。今日は荒れるぞ。」

「誰なんですか、彼女。」

 小走りのタリスクが、振り向かずに答えた。

「ぞくちょー!」


 発着場の一室。

 酒保となっている、この部屋の片隅。

 空気の張り詰め方は尋常ではない。

 発信源は2人。

 エランと少女だ。

 数名が、遠巻きに眺めている。

 ある者は腫れ物に触るように。

 ある者は興味深い見世物を待つように。

「世紀の一戦ですね。」

 楽しそうに男がささやく。

「あのぅ。」

「はい?」

 こっちを向いた男の顔は、すでにうっすら赤かった。

「まだ、お名前を伺ってないんですが。」

「あぁ、失礼。」

 頭をかく仕草が芝居がかっってみえた。

「私はクァーズといいます。ジェレミーさんですね。」

「はい。先ほどはどうも。」

「同じギルドなんですから、気にしないで。」

 笑いながらジョッキを傾ける。

「で、彼女は?」

 声を潜める。導火線に火をつけないように。

「彼女は、ベラードの種族長、ストロチナヤさん。もとはここのギルドマスターだったんです。」

 種族長。

 ノバスのベラードのリーダー的存在。

 他種族との折衝から戦闘指揮、自主族の揉め事の解決と業務は多岐に及ぶ。

 選挙で選出され、指名手配などの制裁権ももつ。

「な、なぜここに?」

「ま、おいおいお話しますよ。」

 楽しそうにジョッキを傾ける。

「で!」

 重いジョッキがテーブルに叩きつけられる。 

「お忙しいはずのあんたが、何故ここにいるのかしら!」

 導火線に火がついた。

「久しぶりにあなたと呑みたくなって。」

 天使の笑顔で、ジョッキをかかげる。

「人にギルドマスター押し付けて、『あたし一人がいいから』って!」

「あー、あの時は他種族相手にヌメロスなんかによく行ってたから。」

 小さな手がジョッキをあおる。

「迷惑かけたくなかったしね。」

「だれも迷惑なんて思って無かったわよ!」

 ジョッキを凄まじい速さで空にする。

 呑んでいる間だけ、向かいの少女を睨めない。

 それが幸いなのか、どうなのか。

「一言あれだけで、行方不明!たまにメールでアク領だの、コラ領だの!残された者がどう思うか!」

「大丈夫よ。そうそうやられたりしないわ。」

 エレンの空のジョッキに、どこからか取り出した瓶から何かを注ぐ。

「下から持ってきたの。美味しいわよ。」

「あなたねぇ!」

「みんなもどう?美味しいわよ!」

 銃口がこちらに向けられた気がした。

 クァーズと顔を見合わせる。

「こいよ、防御隊長。」

 タリスクがテーブルに向かう。

「ランカー二人が、イダーの呑んだくれを訪ねてきたんだ。なんかあるんだろ?」

「いやぁ、隠すつもりはなかったんですが。」

 相変わらず、芝居がかった仕草で頭をかく。

「隠されてるつもりもねぇよ。」

 クァーズをつつく。

「なんでしょう?」

「防御隊長って?」

「ま、下っ端って所ですね。」


 防御隊長。

 副族長・攻撃隊長・支援隊長とともに、種族長の補佐につく。

 種族長に選任されるか、立候補した種族長候補者が任につく。

 彼らを総称しランカーと呼称する。


「ま、腐れ縁で引っ張られまして。」

「下っ端の腐れ縁のはいいから。」

 殺気がこちらを向く。

 少しだけ、クァーズから離れる。

「用件は?あなたまで呑みにきたってんじゃないでしょうね。」

 笑顔が少し引きつっている。

「えーと、いいですかナーヤ?」

「あ、あたしから言うわ。」

 クァーズをジョッキで制する。

 目が変わっていた。

「ギルメン全員、下におりて。やって欲しい事があるの。」

 ジョッキが静かに置かれる。

「聖戦でね。」




 
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Novelテンプレート管理人です。
DLとコメントありがとうございました。
突然押しかけてのコメントお許しくださいませ。
実は、現在ご利用くださっているテンプレート[novel-temp-note]が、解析度によっては著しく表示に乱れが生じていることが判明いたしました。
1024×1200サイズでご閲覧なさっている方からご指摘を頂戴し、その不具合が判明し、昨日、あわてて修正させていただきました。
ご面倒をお掛けして本当に恐縮でありますが、一旦テンプレートを削除、もしくは名前を変更なさってから、再度、修正版をDLしてくださいますようお願いもうしあげます。
せっかく、拙作をDLしてくださったにも関わらず、このようなご迷惑をお掛けして、本当に申しわけございませんでした。
まずはとりいそぎお詫びとご連絡まで
Novelテンプレート管理人 拝

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